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『シルバーレイン』内PC 依藤たつみの日記
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手は…繋ぎなおしたよ。
ちゃんと。

亀吉さんが黙って手ー引いて、次行くトコまで連れてってくれて。
どこまでもついてくって、そんとき決めた。

あァ…決めた、っておかしいな。
だってそうするには、あたし、弱くて、どうしょうもなくて…。
それに…


フェンリルの儀式を潰すために行動しててんけど…って坤も同じやったっけ。

亀吉さん、ずっと笑いかけてくれて。
あたしが怖がらんようにって。


掠れた声でずっと、大丈夫だって。


あたしはそれを信じた。
そうしたらちゃんと闘えたからそれでええと思うとった。





でもやっぱり

手は

手は離れてまうもんなんやって




前に出んとあかん亀吉さんと
後ろでないとあかんあたしが離れてまうのはしゃあないって

今やったら思えるねんよ

でもその時はほんまに
世界が終わってまったみたいに思てん…。




だって同じ光景やで

さっきと同じ。


人狼の牙が亀吉さんに食い込んで
身体がどんどん凍っていって

もうそん時動けんかったあたしの前で。




それから

亀吉さん

起きんかった。




そっから先の事な

ほとんど覚えてへんの




生きとんのは見えとったから

氷だけでも解かしてあげんとあかんと思って

どうにかこうにか近づいて



でも惣ちゃん呼んでも傷は治らへんし

死んだらあかん、あたしを置いて逝かんとってって

蹲って阿呆みたいに泣いてたことだけ覚えてる




…静かやってんよ

肉が切れる音も

火が爆ぜる音も

何も聞こえんと



ほんまに静か。




聞こえてたのは

弱い自分が悪いんやって

誰かが笑う声だけやった



弱いくせに誰かの支えになろうだなんておこがましいとか

やっぱりお前は土蜘蛛様の巫女とちゃうのやとか

大嫌いだった声がけたけた笑っとうだけ




哀しくなんてなかったんよ?

だってほんまのことやもん


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プロフィール
HN:
依藤たつみ
性別:
女性
自己紹介:
依藤たつみ(よりふじたつみ)
土蜘蛛の巫女×鋏角衆
仁奈森キャンパス2年1組

***
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