雲雀

齢、十伍
最期の会話

「たつみ。泣いたらあかん」

「泣かんとおれん…だって間に合ったらこんなん…！」

「俺は、ここで、土になるさだめやってん。せやし、泣かんと」

「嫌や！惣ちゃんの嘘つき！！」

「嘘…うん、嘘、一杯ついてもうた」

「ずっと一緒に居てるって言うたやん…」

「一緒に、居たかった。でも、無理やってん」

「無理なこと無い…」

「無理や。女王も負けた、ほら」

「あの人やない女王の采配なんか知らん…葛城がどうなるかよりあたしは」

「たつみ。」

「…。」




「ずっと一緒の約束、守れんくて、ごめん」

「謝ったらあかん…ほんまになってまうやんか！」

「ほんまや、仕方ないよ。せやし、こっち…来ー」




「………。」

「………。」




「惣ちゃんの、阿呆」

「…何で？」

「死なれへんやんか…一緒に死のう思たのに」

「そう思った。俺、たつみには生きとって欲しいから」

「…惣ちゃんがのうなってしまうのに？」

「生きとったら、ええ事、ある。」

「惣ちゃんの居らん世界に生きとっても何も無いよ…！」

「大丈夫。俺は、ここに居てる。それから、」

「…それから？」

「たつみの中にも居てる。せやし、約束、して。ふたつ。」

「…。」

「ひとつ。俺の力、捨てんとって。」

「…うん。」

「ふたつ。俺より強くなるまで、死なんとって。」

「……うん。」

「ええ子や。…ほな、もう、行くわ。」




「………惣ちゃん」

「…たつみ」