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綺麗な花火 愛する花火
君を愛していいのは僕だけだから
僕だけの前で綺麗に咲いて
だって僕だけが君を愛しているから
「……妙な夢やなァ」
ここのところ立て続けに見る夢を思い返し、
重い体を起こして軽く頭を振る。
誰も居ない夏の夜。
前触れ無く打ちあがる大輪の花火。
人々の歓声や賞賛のため息で迎えられるべき美しいその花を見ているのは、
それを作った職人だけ。
咲いてしまったことが切ないような、
自分ひとりがそれを見ていることに満足しているような、とても不思議な表情の職人。
花火に偏愛を持っているような、とでも言えばいいだろうか。
(……でも)
哀しそうな顔やった、と。
それだけははっきり覚えている。
夜空にぱっと花が咲いたその瞬間、
大事なものを失くしてしまって
それがもう戻ってこないと最初から知っていたかのような
とても哀しい顔で。
失くすことを受け入れているのか、
抗っているのかまでは分からなかった。
けれど職人は花火を作ることと、
一人で打ち上げることをやめられない。
「愛しているから…?」
ぽつりと呟いてみたものの、
答えをくれる人など居ない。夢なのだから。
考えても仕方の無いことやと踏ん切りをつけて布団から這い出る。
それでも思うのは
思うのは
「…水野さんに似とったなァ」
アンドロイドは電気羊の夢を見た。
巫女は愛する人の予知夢を見るのだろうか。
君を愛していいのは僕だけだから
僕だけの前で綺麗に咲いて
だって僕だけが君を愛しているから
「……妙な夢やなァ」
ここのところ立て続けに見る夢を思い返し、
重い体を起こして軽く頭を振る。
誰も居ない夏の夜。
前触れ無く打ちあがる大輪の花火。
人々の歓声や賞賛のため息で迎えられるべき美しいその花を見ているのは、
それを作った職人だけ。
咲いてしまったことが切ないような、
自分ひとりがそれを見ていることに満足しているような、とても不思議な表情の職人。
花火に偏愛を持っているような、とでも言えばいいだろうか。
(……でも)
哀しそうな顔やった、と。
それだけははっきり覚えている。
夜空にぱっと花が咲いたその瞬間、
大事なものを失くしてしまって
それがもう戻ってこないと最初から知っていたかのような
とても哀しい顔で。
失くすことを受け入れているのか、
抗っているのかまでは分からなかった。
けれど職人は花火を作ることと、
一人で打ち上げることをやめられない。
「愛しているから…?」
ぽつりと呟いてみたものの、
答えをくれる人など居ない。夢なのだから。
考えても仕方の無いことやと踏ん切りをつけて布団から這い出る。
それでも思うのは
思うのは
「…水野さんに似とったなァ」
アンドロイドは電気羊の夢を見た。
巫女は愛する人の予知夢を見るのだろうか。
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プロフィール
HN:
依藤たつみ
性別:
女性
自己紹介:
依藤たつみ(よりふじたつみ)
土蜘蛛の巫女×鋏角衆
仁奈森キャンパス2年1組
***
シルバーレインのPCが綴る日記
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